骨盤臓器脱専門

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手術するのに適したタイミングはいつ?

今回は、「手術に適したタイミング」について、お話させていただきます。

手術に適したタイミングはいつ?

「手術に適したタイミング」とはいつ頃なのでしょうか?

 

まず考慮するのは、「本人の希望」ですね。

 

ある程度、子宮が脱出していても・・・

本人がそんなに苦痛を感じてなくて、手術が必要と思ってないのであれば、手術を急ぐ必要はありません。

 

一方、それほど大きく脱出してなくても・・・

本人が気にして、手術で治したいと考えているのなら、それは手術に適したタイミングだと言えるんです。

 

医師サイドから見た「手術のタイミング」

ただ、「まず本人の希望を考慮」といいましても・・・

医師サイドから見て「手術に適したタイミング」というのはあります。

 

早すぎると手術がやりにくい。

あまり脱出してこない段階では、手術がやりにくいです。

骨盤臓器脱の経腟手術って、子宮膀胱を手前に引っ張り出した状態で行います。

だから、あまり脱出してない状態だと、手術難度が高くなるんですね。

もちろん、膀胱や直腸を損傷するリスクも高くなります。

 

この段階では、骨盤底筋体操をおすすめしています。

将来もっと下がってきてから、手術を受ければいいんです。

 

遅すぎても色々こまったことが・・・

逆に、手術を受ける時期が遅すぎても、いろいろ困ったことが生じます。

 

まず、手術の難度とリスクが高くなります。

大きく脱出した骨盤臓器脱では、膣壁がゴワゴワに分厚くなってて、癒着してることが多くなります。

この状態だと、手術で剥離(はがすこと)操作を行う時に、出血が多くなるんです。

しかも癒着しているから、膀胱や直腸を損傷するリスクも高くなります。

 

また、術後の痛みも強くなります。

子宮が大きく脱出してるから、その分しっかり持ち上げて、がっちり固定する必要があるからです。

 

さらに、術後尿失禁も起こりやすくなります。

大きく脱出していると、そのぶん尿道がダメージを受けてるから、術後に尿が漏れやすくなるんです。

 

ここで大御所の名言・・・

10年近く前の話ですけど、骨盤臓器脱学会の場で、とある大御所先生がおっしゃった名言があります。

 

骨盤臓器脱は果物と同じで、「適した収穫期」がある。早すぎても遅すぎてもよくない。

 

早すぎると手術がやりにくい(収穫するにはまだ早い)

 

適切な時期に手術しよう(収穫に適した時期ですね)

 

遅すぎてもよくない(もっと早く収穫したほうがよかったですね)

 

 

「上手いこと言うなあ・・・」と思った次第です(笑)

 

 

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