今回は、「手術でできる傷」について、お話させていただきます。
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骨盤臓器脱手術の傷は、他人が見てもわかりません。
まず結論から。
わたくしがこれまでに手がけた、2500例超の骨盤臓器脱手術の患者さんで、「傷が目立って困る」という苦情を受けたことはありません。
手術でできる傷は、二か所あります。
ひとつは「膣壁の傷」、もうひとつは「肛門近くの皮膚の傷」です。
膣壁の傷は、外からは見えなくなる。
まず「膣壁の傷」ですが、これは手術の操作で必ず必要な傷になります。
子宮を吊り上げたり、膀胱瘤を縫い縮めるために、5㎝ほど切開する必要があるわけですね(図の赤矢印のところ)。
この膣壁の傷は、子宮が元の位置に戻ってしまえば、膣の中にかくれてしまうので、外からは見えなくなります。
肛門近くに、数ミリの小さい傷ができるけど、治ったら分からなくなる。
もうひとつは、「肛門近くの皮膚の傷」です(図の青矢印)
これは子宮を吊り上げるための「糸」や「メッシュ」を通す操作を行うために、どうしても必要な傷です。
この傷は5㎜くらいのものなので、治ってしまえばほとんど分からなくなります。
みなさんプールや温泉を楽しんでおられますよ。
ということで、骨盤臓器脱手術のあとに、傷が目立つことを心配する必要はありません。
子宮が出てて温泉やプールを我慢してた方々も、手術を受けて治ったら、みなさん元気に通ってらっしゃいますよ。